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11月 25, 2007

Mac OS Xでバイオインフォマティクス

カテゴリー Mac, PC, Research extra — daichann @ 2:41 pm
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MacBookを購入以来、すっかりマックの魅力にはまってしまいました。今回は、最近、Mac OS Xにインストールした分子生物学の研究に有用なソフトを紹介します。まだ、それほど使っていなくインストールしただけのものもありますが、ご容赦を願います。ここに紹介するものは、すべて無料で使えます。

Chandler http://chandlerproject.org/

実験の時間管理は、特に複数の実験やテーマを同時に進めているときには特に必要性を感じます。最近はやりのGTD (Getting Things Done)を利用するのも手だし、専用のソフトもあります。GTDを初めて聞いた方は、ITmedia Biz.IDの記事 “Getting Things Doneのまとめ“を参照してください。Chandlerは、OS X, Windows, Linux版と実質すべてのデスクトップOSをサポートしており、フリーで使えるものとしては一番多機能であるような気がします。まだ、発展途上のソフトですが、時間管理、To Do管理に最適なソフトです。Open Sourceでの開発なので、将来にわたって料金がかかるようなことはないと思います。

LabAssistant http://mekentosj.com/labassistant/

EnzymeX, 4Peaks等(後述)と共に開発をおこなっているDr.Mek & Dr. TosjによるMac OS X専用のソフトです。名前の通り、研究をアシストするソフトで、これだけでもマックを使うだけの価値があると思いました(大げさか?)。To DOリスト、リマインダーの他、実験の進行状況を管理するタイマー付きの”Experiments”は、複数の実験を平行して行っているときは便利です。研究に特化している分、機能が限定されており使い勝手に優れています。

Yum http://www.nixanz.com/

プロトコール管理をコンピューターでおこなうにはどうしたらよいでしょうか。詳細な実験プロトコールは、Word等のワープロソフトを使用していることがほとんどでしょうが、試薬の作り方、mini-prep等の単純な実験プロトコールはもっと効率の良いソフトで管理したくなります。データーベースソフトは、ちょっと敷居が高く躊躇してしまいます。そこで、注目したものが、料理レシピ管理ソフト。まさに、材料と方法を管理するという意味では、実験のプロトコールと同じです。そして、料理レシピのソフトで無料のソフトを探して見つけたのが、Yumでした。日本語に対応したソフトも探せばありますが、クックブックソフトは基本的に奥様方の使うものですから、親しみやすいインターフェースになっているため、ちょっと研究で使うのは恥ずかしいです。その点、Yumは、簡略された管理方法でプリントアプト用の整形も気に入りました。Windows版がないのは残念ですが、マックらしい洗練されたインターフェースです。英語で書かれたものですがTidBITSでソフトのレビューを読むことができます。

iPaper2 http://ipapers.sourceforge.net/iPapers.html

文献管理には、iTuneライクなインターフェースで使いやすそうです。ソフト内でPubMed検索ができPDFフィアルをダウンロードして登録してくれる優れものです。しかし、すでにWindowsでRef for Windowsを 使用して文献管理しているし、ダウンロードしたPDFファイルは特にソフトで管理していませんが、膨大な数があるのでいまからいちいちソフト管理するのは 面倒です。Windows版があれば別ですが、現在のところ文献管理に関してはマックへ全面移行というところまでは至っていません。

NCBI Wwwblast http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Ftp/

分子生物、医学研究をしている人には、NCBIのPubMedやBlast検索はおなじみでしょう。だけど、データベースファイルをダウンロードできることを知っている人は、そのうちどのくらいいるでしょうか。特に企業は定期的にデーターベースファイルを更新して、外部に情報が漏れないように企業内ネットワークを構築しているそうです。私も以前は、そのファイルをダウンロードして、PC内で検索してみたことありましたが、DNAともかく、タンパクのアミノ酸検索はいつまでたっても終わらないことがあって頓挫したことがありました。今は、CPUの速度も速くなったので、もっと検索にかかる時間は短縮されているでしょうが、データベースファイルも指数関数的に増加しているから結局さらに時間がかかるかもしれないので、NCBIのサイトでできるものなら、そうするのが一番効率的ではあります。しかし、このサイトに紹介されているソフトは、よく使うものに関してはインストールしていて損はないでしょう。Blastソフトの中で、例えばシークエンス解析後の2つのDNA配列を比較するとき、Blast 2 Sequence (bl2seq)は 便利で好んで使用していますが、その程度のことをNCBIのサイトにいってやるのも芸がありません。データベースファイルは必要ないので、オフラインでもできれば、便利です。そんなとき、Blast検索ソフト一式まとめたファイル(11/24時点の最新版は、wwwblast-2.2.17-universal-macosx.tar.gz)を試してみるとよいです。それぞれのソフトは、コマンドラインで使い勝手は悪いですが、フロントエンドとしてブラウザでオンラインと同じような感覚で使えるようにHTMLファイルがありますので、ブラウザでHTMLファイルを開いて使用する方が便利です。

KoriBlast Free Viewer http://www.korilog.com/home/

Blast検索の結果をグラフィカルに表示してくれるソフトです。Mac OS X, Windows, Linux版があります。

DNA解析ソフトNCBIのソフトは、どちらかというとユーザーフレンドリーではないし、一つの機能に特化しています。以下に紹介するものは、統合DNA解析ソフトですので、多機能ですし見た目がいいです。わたしは、WindowsではInvitrogenのVector NTIを好んで用いています。ただし、マック版となるとバージョンが更新されておらず古いままです。もともと、Vector NTIはマック版として開発されていたものがWindowsが生物医学分野でも一般的になるに従って逆転してしまったようです。なお、2〜3年ほど前から有料だったものが、アカデミックに所属している人に限り無料となりましたのでありがたいことです。

EnzymeX http://mekentosj.com/enzymex/

Vector NTIほどの機能はありませんが、制限酵素サイトやDNA配列の構築、ORFの検索などできるようです。先に紹介したLab Assistantと同じ人たちが開発しています。

BioX http://www.lagercrantz.ath.cx/software/biox/
eBiotools http://www.ebioinformatics.org/

BioXは、EMBOSS (European Molecular Biology Open Software Suite)のツール群を集めたマック専用のソフトeBiotoolsのフロントエンドとして働きます。EMBOSSは、Unixで動くように設計されているのでUnixの一つとなったOS Xも動くのですが、それをインストールしやすいようにパッケージにしたものがeBiotoolsです。EMBOSSの他にも様々なツール群が含まれているようです(NCBI Toolbox, Primer3, ClustalX et al.)。EMBOSSは様々な機能をもっている反面、少し商用版のソフトに比べると使いづらいようです(コマンドベース)。したがって、BioXを通して利用する方が、バイオインフォマティクスの専門家以外の方には扱いやすいでしょう。主な特徴としては、DNA配列アライメントの他、パターン検索、プライマー設計、制限酵素サイト、リピート配列、アミノ酸翻訳、DNA溶解温度、ドットプロット、ClustalWアライメント。X windowsシステムが必要なので、インストールされていない方は、OS Xインストールディスクを用いるか、不具合などが解消されより安定した非オフィッシャル開発のXQuartzをダウンロードしてください。

訂正
BioXは、eBioXへと引き継がれeBiotoolsと同じサイトよりダウンロード可能です。OS X 10.4以降のみ対応です。

CLC Free Workbench 4 http://www.apple.com/downloads/macosx/math_science/clcfreeworkbench.html

商用の機能を限定したフリー版です。限定といっても、一通りのバイオインフォマティクス機能はついていて、BioXが使いづらい人にはこちらを試してみてはいかがでしょうか。

Amplify 3 http://engels.genetics.wisc.edu/amplify/

PCRプライマー設計、PCR反応の条件計算に特化したOS X専用のソフトです。

ApE http://www.biology.utah.edu/jorgensen/wayned/ape/

Plasmid設計、アノテーション付きの描画をしてくれるソフト。その他には、ABIのシークエンスデータの読み込み、DNA波形を表示してくれます。

4Peaks http://mekentosj.com/4peaks/

FinchTV http://www.geospiza.com/finchtv/

上2つのソフトは、ABIのDNAシークエンスデータを読み込み、波形を表示してくれるものです。ABI純正の波形表示ソフトはWindows版だと無料配布されているのですが、マック版は残念ながらありませんのでこれらのソフトを使うとよいでしょう。

iMol http://www.pirx.com/iMol/

分子構造を3D表示してくれる優れものです。DNAやタンパク質構造ももちろん表示してくれます。読み込みファイル形式は、PDB, XYZ, MOL2, HIN, CAR, ALC, BIOで、保存形式は、PDB, XYZ, BIOとなっています。 NCBI純正ソフトにCn3Dという有名なソフトがありますが、両方持っていると便利でしょう。

Image J http://rsb.info.nih.gov/ij/

NIH Imageの後継ソフトで、多数のプラグインが用意されており、必ずインストールしておくべきソフトの一つでしょう。わたしは、まずこのソフトで顕微鏡写真の画像処理した後アドビのPhotoshopにもっていき整形しています。顕微鏡付属ソフトの画像保存形式は、特殊なため一般の画像編集ソフトでは開くことができませんが、Image Jであればプラグインを追加することで読み込むことが可能になる場合がほとんどですので、自分のパソコンでも編集がしたい場合には、便利です。私は、共焦点顕微鏡LSM510 (Zeiss製)を使用していますので、plug-inのInput/Output項目にあるLSM readerをインストールしてあります(デフォルトでも入っています)。細胞カウンターなど、便利そうな機能も多数公開されていますので、興味のある方はいろいろ探して試してみてください。

Patent Downloader http://www.oneriver.jp/PD/

日本人が作った特許検索、ファイルダウンロードソフトです。日米欧に対応しています。アカデミックにいるから、特許なんて関係ないや、といっていられない時代ですからこういったソフトも必要ですね。アメリカの特許検索ならばGoogle Patentsは検索が早く便利です。

Solution Widget http://mekentosj.com/widgets/solutions/index.html

試薬を調製するときに、分子量の計算をしたりすることがよくあります。このソフトは簡単に重さ、体積、分子量、モル量の計算をしてくて便利です。

結論

紹介したDNA解析ソフトの中ではBioXが一番すぐれている感じがします。これ一つですべてを網羅しているので、まずはこのソフトを使いこなせるようにしていこうと思います。 実験の時間管理は、iCalとともにLabAssistantを使い、プロトコールの一元管理に、Yumを使用。DNAシークエンス確認は、4Peaksを用いて、ホモロジー検索はBioXWww blastソフトでおこなう。また、使い慣れてきたらどこかで報告したいと思います。

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1件のコメント »

  1. 私は分子生物学を専門分野とする学者の端くれですが、研究関連ソフトの情報がここまでしっかりまとまっているWebページは初めて見ました。紹介されているソフトをいろいろ試してみたいと思います。
    すばらしい情報を提供されていることに感謝いたします。

    コメント : Ozk — 4月 3, 2008 @ 9:01 pm | 返信


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