本日、国際研究コンソーシアムで “1,000 Genomes Project”というものを、開始したというアナウンスが米NIHからありました。趣旨は、”Major Sequencing Effort Will Produce the Most Detailed Map of Human Genetic Variation to Support Disease Studies“。つまり、クスリの効き方に個人差があったりするのは遺伝子の配列がわずかに異なるためにおこることがあるが、具体的にどこが違うとクスリの効果が変わるのかはほとんどわからない、そのために大規模な(多数の)ヒトのゲノム解析をおこない、多様性を地図にしよう(マッピング)というのが主な目的のようです。
そして、気になったのが日本の研究機関の名前がないのです。前回のヒトゲノムプロジェクトのときは、日本の貢献もありましたが、今回は蚊帳の外です。そのかわり、中国が入っています。今回のプロジェクトは、お金のかかる力仕事であるので、体力のあるところが中心になっているのはわかりますが、日本が入っていないのは将来的な競争力の低下を示唆しているのではないだろうか。実際、これほどの解析をできる機関が日本には存在しないのかもしれません。
iPS万能細胞が日本中で騒いでいますが、科学というものは短距離競走ではありません。ゲノムプロジェクトが終わったから、もうDNAの時代が終わりタンパクの時代だといって、タンパク3000プロジェクトを安易に立ち上げ、大量の税金を無駄に使っただけに終わった、そんな短絡的な政策を日本が続けているうちに、世界はそれぞれのプロジェクトを今回のように大きく発展させようとしているのです。
今回のプロジェクトの主なスポンサーは、Wellcome Sanger Institute (英), Beijing Genomics Institute (中), National Human Genome Research Institute (NIH, 米)で、全米の大学機関、英・欧研究機関、中国研究機関が解析をおこないます。
日本単独では、もちろん大きなプロジェクトをおこなうことはできません。iPSをオールジャパンでやろうと言っていますが、裏返せば他の国とは簡単には共同研究はやらないよ、と言っているようなものです。アメリカのように共同研究に長けているところが結局は優位に立つような気がしてなりません。それに、利権争いが始まり、醜い争いに発展しかねません。また、iPSを使うには、山中氏との共同研究が前提になっています。これは、実際には細胞をあげただけで内容には関わっていないのに、論文出すときに名前を入れろということでしょうか?そうだとしたら、悲しいことです。
情報源
NIH News International Consortium Announces the 1000 Genomes Project
1000 Genomes http://www.1000genomes.org/
タンパク3000プロジェクト http://mext-life.jp/protein/