IT関連で有名な日本のニュースサイトIT mediaで、先日Apple社のスティーブ・ジョブズ氏の健康状態に懸念があるとの報道を読んだんですが、「本当か?」と思ってしまった。
記事には「Appleは、同氏は「よくあるウイルス」に感染したのであり、抗生物質を飲んでいるとコメントした。」とあるが、読者の中には違和感を持った方はいないだろうか。そう、抗生物質というものは、バクテリアなど「生きている」病原菌に対して有効であって、ウイルスに有効な抗生物質はヘルペスぐらいしか聞いたことがない。正確には、ウイルスに対する抗生物質という言い方自体、間違いだろうが。そこで、元の記事が「New York Postが7月21日に伝えた」とあったので、元記事や他の英文記事、ブログを見てみたのだが、どこにも「ウイルス」という言葉が見つからない!単に、「common bug」という記述があるのみ。
なんでこんなことになったのか、よくよく調べてみると関連記事に「ジョブズの激ヤセの原因は?(オルタナティブブログ)」のリンクがあり、ここを参考にした節があります。しかも、そのブログ記事のコメントにウイルスではないのでは、というもっともな質問がのっていたのですが、ITmedia記者のkoyaこと松尾 公也氏は、「抗生物質、最近の定義では抗ウイルス剤も含むようです。とはいってもcommon bugとしか言ってないので、実のところはわかりません……。」と弁明しています。実のところわかりません、なら事実のみ書くべきで、なぜウイルスという言葉を用いたのか疑問です。記者でありながら、基礎知識のなさを恥ずかしげもなく披露しているとしか言いようがありません。しかし、これはブログ、許しましょう。だけど、それをもとにITmedia(ロイター?)が記事の裏づけに用いているとしたら、言語道断です。報道機関として、地に落ちているとしか言いようがありません(ブログ記事は6/11に対し、このニュース記事は7/22)。ITmediaのようなサイトは、一流報道機関でないから、この程度のことで騒ぐなとお叱りをうけるかもしれませんが
日本の教育は世界最高水準ですが、どうも文系と理系の知識格差、そして特に生物に関しては、いまいち全体的に常識が不足している気がします(組み換え遺伝子作物や狂牛病騒ぎを見ても)。特に、一般報道記者の科学に対する知識は嘆かわしい限りです。関係ない話ですが、何か政府間や世界の動きで何らかの合意なりがあった時の報道で、日本を含む欧米の。。。という文面をよく見ますが、実は日本がほとんど関与していない場合もあります。以前、記事は忘れましたが、日本は含まれていないのに第一報の日本の報道機関で日本など中心になどと書いてあったのを見たことがあります(その後、その記事から日本がなくなってました)。毎日新聞が、英文記事の問題でパッシングを受けていますが、少なくとも主要ニュースサイトの速報記事を含め、ITmediaなどの二流報道機関など、裏づけ、チェックなしに報道しているものが多くあるのは疑いないでしょう。科学者、研究者の多くに、報道や常識を素直に認めない傾向があるのは、最近よく自分にも当てはまってきたのかと感じています。悪いことではないけど、世間を悲観的に見てきてしまうのも人生よくないですね(決して、このことが優秀な研究者と同義だとか言っているわけではありません。単に傾向を述べているまでです)。日本も、将来的に韓国のように間違った報道によって国を誤った方向に向かう危険性がないとも限りません。今は、韓国のろうそくデモを不思議な目で見ていますが、そういった国際的な威信を落とすような方向へ報道機関が国民を導いていかないよう、お願いします。また、よく見かけるいやな記述は、特に中国や朝鮮などに対してですが、日本人が喜ぶようなネガティブな意見を載せて、変に中立を保とうとしたり、対抗したりすることで、あまりに少数意見で都合のいいものを拾っているとしか言いようのないものを平気で一流のニュース機関が載せているときです。以前は、すぐに専門家に頼って記者の主張がないといわれていた時期がありましたが、今は専門家どころか凡人の偏った意見で帰結する記事も見かけて、見るに耐えないものが増えています。海外に住んでいるので、紙面ではどのように報道されているか知る由もありませんが、MSN産経ニュースは、ワイドショー化して終わってます(気軽に見るには面白いです)。ただでさえ、ワイドショー型不況と言われているのに。もっと、欧米のニュースサイトを見習って質の高い記事を提供してほしいです。